外国籍職員が1割以上。
国籍にかかわらず誰でも輝く職場をめざす

会社概要

【医療・福祉】

社会福祉法人しゃかいふくしほうじん永寿福祉会えいじゅふくしかい

社員数 540名
住所 大阪府大阪市平野区喜連2-2-40
資本金 社会福祉法人のため無
URL https://eijyu.or.jp

外国人社員について

外国人採用を始めた時期 2016年より 外国人社員の人数 61名
外国人社員の国籍 インドネシア、カナダ、中国、フィリピン、ベトナム 職務内容 介護業務、一般事務、一部管理事務

MEET IN OSAKA 活用事例

  • 活用したこと

    1. 対面合同企業説明会(6月)

    2. 外国人材採用・定着セミナー(6月)

    3. オンラインの人材検索・マッチングサービス

  • 結果

    2024年春入社 事務職の採用(国籍:中国1名)

  • 工夫・良かった点など

    1. 企業向けセミナーでは、外国人材の採用や定着に関する知見が得られたことで、自社の課題を見つめ直すきっかけとなった。

    2. 対面合同企業説明会で、多くの外国人材から働く上でのニーズや懸念点をヒアリングできたことで、将来に向けた社内の外国人材に対する理解もさらに深まった。

    3. オンラインの人材検索・マッチングでは、掲載した企業紹介・求人内容をみた外国人材から直接アプローチできる点が良い。直近でもベトナムの方より直接メールをもらって職場体験をしていただく予定。

外国人材採用のきっかけ・取り組み

先進的なアプローチを取り入れ、お客様にも職員にもやさしい介護を実践

永寿福祉会は、介護施設や障がい者施設などを展開する社会福祉法人です。還暦を迎えた初代理事長が、地域に恩返しをしようと、自分の土地に特別養護老人ホームを設立したのが始まりで、以後、社会や地域の福祉への貢献を最大の目的として活動してきました。
大きな特徴は、福祉における先進的なアプローチを積極的に取り入れている点です。具体的には、装着型サイボーグロボット「HAL®」を利用したリハビリプログラムや、音楽・光・絵画を用いたセラピー「フィーリングアーツ」、触感・香りなどの感覚刺激を活用したリラクゼーション活動「スヌーズレン」の他、レクリエーション専門家であるカナダ出身の職員が自ら考案した体操を実施するなど、様々な取り組みを行っています。近年は、身体を抱え上げない介護「ノーリフトケア」に注力し、お客様だけでなく、働いている職員にも安心・安全・効率的な介護の提供を心がけています。

インタビューを受けていただいた
左:石井 亨宏 氏(本部長)
右:パシオン キンベルリ(キム) 氏(2024年入社/フィリピン国籍)

外国籍職員が安心して働けるような採用の仕組みを構築

介護業界での将来的な人材不足に備え、2015年頃から外国籍職員の採用を視野に入れ始めました。当初は、技能実習生を受け入れるための協同組合・監理団体の設立や参加も検討していましたが、「外国籍職員が安心して働ける環境づくりを進めたい」という同じ志を持った海外人材紹介を専門とする会社と出会い、外国籍職員の待遇に配慮した新たな採用の仕組みを一緒に作ることにしました。
その後、両者で取り交わした採用計画に基づき、1、2年目で10名前後の外国籍職員を採用するに至りました。さらに3年目以降は、「人が人を呼ぶ」形で在籍職員の紹介による入職も増え、現在は60名を超える外国籍職員が介護・看護職員として働いています。また近年は「技術・人文知識・国際業務」ビザを持つ人材向けの就職フェアにも参加し始め、総合職や事務職としての外国籍職員の採用にも取り組んでいます。

地域貢献を目指した社会福祉法人

外国人材の活躍・定着への取り組み

外国籍職員と日本人職員、双方へのアプローチで溝を埋める

外国籍職員も日本人職員と同じ業務を担当しています。例えば、特別養護老人ホームで看護師として働くフィリピン籍のキムさんは、日本人職員と同じように、お客様の健康状態チェックから急変対応まで行っています。当初は日本語で看護記録を書く際、専門用語などを間違えることもあったものの、「1文字違うだけで、正しくない処置になってしまう」ことに気づき、漢字を含めて丁寧に調べることを意識するうちに、だんだん正確に早く看護記録を書けるようになりました。今でもお客様の名前は覚えるのに苦労していますが、処置の前に別の職員に確認するなど、ダブルチェックを徹底しています。
また、キムさんを含めた外国籍職員が加わったことで、施設の雰囲気が明るくなったように感じます。もちろん個人差はありますが、気難しい顔をしているお客様にも垣根なく笑顔で接することができたり、握手やハグなどのスキンシップに抵抗がなかったりする外国籍職員が多いのです。触れ合いや寄り添いを当たり前のように行う様子が、日本人職員にも良い刺激になっています。
一方で、まだまだ、日本人職員と外国籍職員が分かれてグループになってしまうなど、両者の間に溝を感じることもあります。日本独特のニュアンスや雰囲気を汲み取るコミュニケーションスタイルが原因の一つと考え、その溝を埋めるため、今後は、外国籍職員向けの日本語研修の他、日本人職員向けのやさしい日本語研修、多様性・共生社会に関する研修を実施していく予定です。外国籍職員が日本人職員に合わせるだけでいいという考え方もあるかもしれませんが、それでは平等な立場で働ける環境だとはいえません。どちらか一方ではなく、外国籍職員、日本人職員の双方がともに歩み寄る、そんなアプローチが必要と考えます。

看護師としてお客様の健康を守るキム氏

外国人材活用の今後の展望・将来像

チーム医療・介護の強化をめざし、国籍を問わず人材採用を継続

今後は、チーム医療・介護の実践に一層注力していきたいと考えています。その背景として、もともと永寿福祉会が、アセスメント(利用者の心身状態や生活ニーズの調査・評価)とケア方針の2段階でケアプランを立てる「インターライケア方式」を採用してきたことが挙げられます。同方式は、アセスメント項目に基づいてケアの具体的な選択肢を幅広く導き出せるのが大きなメリットですが、アセスメント項目が多岐にわたるため、様々な職種の職員が共同で取り組む必要があります。最近では、職員間でもチーム連携が重要という意識が根付き始めてきたものの、この仕組みを強化し続けていくためには実践する人材の強化も不可欠。だからこそ国籍を問わず、良い人材を採用し続けていくつもりです。
また、現在、働いてくれている外国籍職員たちには、これから入職してくる職員たちの目標になってもらうことを期待しています。現時点では、介護福祉士や看護師の資格や経験を有した上で入職した外国籍職員がほとんどですが、今後は資格やまったく経験のない職員を採用する可能性もあるため、自身の経験や学んできたこと、大変だった苦労等も活かして、後輩を育成できるようになってもらいたいのです。今後、引っ越しなどを理由に転職を余儀なくされる職員もいるかもしれませんが、その時はここで学んだことを活かし、移った先の地域福祉に貢献していって欲しいと考えています。

チーム連携を強化し、お客様一人一人にあったインターライケアに取り組む

Voice 企業からのメッセージ

外国籍職員の採用では、楽な方法に頼らず、真剣に良い人材を探すことがポイントだと考えています。特に介護・看護職員については、人員配置基準を達成し続けなければならないことから、「とにかく人員を充足させること」に意識が向きがちですが、安易な方法で雇用した職員は短期で離職してしまう可能性も高いと考えます。
永寿福祉会では、フィリピン籍の職員が多数在籍しています。採用の際は、POEA(フィリピン海外雇用庁)指定の現地送り出し機関を介して雇用契約を結ぶ必要があるため、煩雑な手続きや費用などがハードルとなりますが、私たちは「良い人材を採用するには、時間や手間、費用を惜しむべきではない」と考え、英語を話せる日本人職員が中心となって職員一人ひとりの採用手続きを行っているのです。
同じコストをかけるのであれば、良い人材を採用することにとことんこだわるべきだというのが、永寿福祉会の考えです。

石井 亨宏 氏(本部長)

Voice 外国人材からのメッセージ

私は、2018年に日・フィリピン経済連携協定(EPA)に基づく看護師候補者の受け入れ制度を通じて来日し、大阪での研修を経て受け入れ医療機関で働き始めました。正看護師の資格を取得してからは、東京の病院で手術室看護師などの経験を積んだ後、永寿福祉会に介護福祉士として勤めていた友人に勧められて同法人に入職しました。
永寿福祉会は、仕事でわからないことがあれば先輩看護師や他職種の職員たちが優しく助けてくれますし、英語を話せる日本人職員が入国管理のサポートをしてくれるので、安心して働けるのが大きな魅力です。また、様々な国籍や職種の職員たちが一緒に昼ご飯を食べるため、自分も含めて全員が対等であることを実感します。大阪ならではかもしれませんが、職員たちはみんな明るくて親しみやすく、毎日仕事に行くのが楽しみです。
私が今の仕事で特にやりがいを感じるのは、お客様と接するときです。一人ひとりの顔をじっくりと見ながら、「体調はいかがですか」などと声をかけていくのですが、お客様が以前よりも身体の調子が良いと喜んでいたり、施設での滞在を楽しんでいたりするのを見ると、私も嬉しくなります。今後は日本語能力をさらに高めて、お客様ともっと深く関われるようになりたいです。
日本で働くと、文化の違いや忙しさなどから「大変だ」と感じることもあるかもしれませんが、どんな時も笑顔を忘れないことが大切です。笑顔は魔法のようなもの。自分だけでなく、周囲も元気にすることができ、結果的に働く意欲も高まるはずです。

パシオン キンベルリ(キム) 氏(2024年入社/フィリピン国籍/看護師)

大阪府「令和6年度 外国人留学生等マッチング支援事業」は
大阪府より株式会社パソナが受託、運営を行っております。

【お問い合わせ先】
大阪府「令和6年度 外国人留学生等マッチング支援事業」
住所:〒530-0001 大阪市北区梅田一丁目13番1号
メール:globaltalent@pasona.co.jp
電話:06-7636-6060(月~金 9:00~17:30) 
FAX:06-7636-6381
受託期間:令和7年3月31日まで